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注文建築における土地の選び方

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ひと言に、「家を買う」といっても、注文住宅、建売住宅、中古住宅、新築マンション、中古マンション…、など選択肢はさまざまです。入口は、大きく2つ。〝家を持ちたい〞か〝家を建てたい〞か、いずれかになるでしょう。どちらから入るかによって、不動産選びのアプローチ方法は変わってきます。

今回は、建築会社の視点から、土地を購入して〝家を建てたい〞場合、どのようなアプローチで土地を選ぶべきかについてご紹介していきます。

解説するのは、代表取締役の瀬野剛史です。前職では、不動産仲介業をしていたため、不動産売買の経験も豊富にあり、もちろん、注文住宅のための土地選びについても、数多くのお客様のお手伝いをしてきました。

その経験を踏まえて、具体的にどのように土地選びを進めていけば良いのか、そのポイントを詳しく解説していきましょう。

まずは土地購入にかけられる予算を算出

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無添加計画で家を建てる方のうちの6割は、土地選びからスタートされており、もちろん、私たちも、しっかりサポートさせていただいています。

その際、最初に決めるのは予算です。まずは、資金計画編でご紹介したライフプランを基に、家を建てるためにかけられる予算の総額を算出。次に、どんな大きさの建物で、何人で居住するか、そして、そこでどんな暮らしにしたいかなどを想定し、建物にかかる費用を算出します。総額から建物にかかる費用を差し引いた金額が土地の購入に充てられる予算となります。

ここで押さえておきたいのが、土地を取得した後にかかる費用を想定しておくということです。地盤改良が必要なのか、ライフラインの引き込みが必要なのか、下水道利用か浄化槽利用かなど、土地によって付随する費用が異なります。場合によっては、ほとんどかからないこともありますが、土地が決まっていない状態では判断しようがないため、基本的には、かかる前提で予算を確保しておいた方が安心です。

暮らし方のイメージを具体化し、条件を1つ1つ整理していく

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土地購入にかけられる予算を決めたら、どのくらいの広さが必要か、どこに住みたいか大枠を決めて、細かい条件を1つ1つ整理していきます。

例えば、土地に2000万円かけられるとしたら、何坪の土地を購入しますか? それは、人それぞれです。20坪で良いという方もいれば、40坪必要な方もいます。それは、どんな暮らしをしたいのか、どこに住みたいかによって変わってきます。坪単価50万円の土地なら40坪買えます。坪単価100万円なら20坪しか買えません。そのため、どんな暮らしをしたいのか、どこに住みたいのかなど、ご希望を1つ1つ整理していき、土地選びに関わる条件を絞っていきます。

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土地選びをする上での優先順位は、お客様によってさまざまです。立地ありきの方もいれば、広さや暮らし方ありきの方もいます。

よくあるのは、お子様の学区内で建てたいというご希望です。学区内ということであれば、土地の坪単価はほぼ決まってくるため、必然的に広さが決まってきます。

その反対に、「広い庭が欲しい」「駐車場が3台分必要」など、暮らしありきの場合は、必要な広さを決めて、それが叶う場所はどこかという選び方になります。

立地を優先するか、広さを優先するかを決めたら、次は、周辺環境、駅からの距離、道路に面している方角など、細かい条件を1つずつ整理していきます。

土地は〝探す〟のではなく〝選ぶ〟

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希望通りの土地が出てくることは非常に稀です。建物は希望通りにつくり上げることができますが、土地はあるものから、もっといえば流通しているものから選ばなければなりません。条件を整理して、第一段階で納得できる土地に出会える方はほとんどいません。どうしても、希望と現実にギャップがあります。しかし、予算は決まっているため、なぜその広さが必要か、なぜその場所でなければならないのか再考した上で、坪単価が低いエリアまで範囲を広げてみてはどうかなど、順を追って可能性を探っていきます。

決して、条件を削っていくというわけではありません。優先順位を明確にしていくというイメージです。予算と広さ、立地という3つの条件がきれいに重なる土地が見つかれば良いのですが、広さが少し足りない、エリアが少し離れているなど、少しのズレはどうしても出てきます。優先順位の高い位置に置くのはどの条件か、100点でなく80点でもいい条件はどれか、場合によっては諦める条件はどれか精査していきます。

そこをしっかり決めていかないと、最終的に選べなくなります。あれもこれもと、90点、100点を目指すとなると、選べるものがほぼ皆無になるため〝物件がない〟という状態になります。それは、〝物件がない〟ではなく、本当のところは〝選べるものがない〟のです。よく、〝土地を探す〟と言いますが、土地は〝探す〟のではなく〝選ぶ〟ものです。

条件整理がきちんとできる方は、全ての希望が叶うのを100点として、最終的に70 点くらいのところで決められます。70点くらいの基準のところが、自身で把握できるまで条件整理ができていれば、納得して購入できるラインであり、満足度はそれなりに高くなります。

良い物件に効率的に出会うために、より早く優先順位を決めることが大切

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自分がいいなと思うような土地は、10人見ても8~9人はいいなと思うものです。特に、土地が出回りにくい時期は、今週、売りに出たものが、翌週には売れてしまったということがよくあります。今日、売れてしまうこともあれば、明日、新しい情報が出てくることもあります。良い土地が出てきた時に、すぐに手を挙げられるようにするためにも、早々に優先順位を決めて漠然とした不安を解消し、いつでも決断できるよう心構えをしておく必要があります。

私たちは、なるべく細かくヒアリングして、できるだけご希望に近い物件を、一番始めにご紹介するようにしています。しかし、「もっと物件数を見たい」「なんとなくいいけど決断できない」と、2~3か月くらいかけて探して、「やっぱり、最初に紹介してもらったのが良かった」と言われることも珍しくありません。残念ながら、その時には、もうその土地は売れてしまっています。

いろいろな物件を見るうちに、優先順位が明確になっていったのだと思いますが、最初に手を挙げられれば、スムーズに土地が決まっていたでしょう。それが悪いということはありませんが、より良い物件を効率的に探したいのであれば、先に優先順位を決めておくと良いでしょう。

目安としては、具体的なご希望の条件がない場合は2か月くらいで条件整理をして、それから3~5か月くらいで購入されます。例外として、予算が決まっていて、学区やエリアを限定していて、あとは待つだけという場合は、覚悟を決めて期限を切って、情報が出るのを待っても良いでしょう。そうでなければ、長くても半年くらいで、これはと思う物件に手を挙げられなければ、条件が変わらない限り決まらないかもしれません。その期間で決められない場合、条件がズレているなど何かがかみ合っていない可能性もあります。

情報収集より先に、資金計画を

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もう1つ、ぜひ守っていただきたいことがあります。資金計画を立てる前に情報収集を始めないということです。先に情報収集して、自分たちが買えるものよりもいいものを見てしまうと、そこから、希望を下げていくことになります。基準が無意識に上がると、それ以下のものは悪いところばかりが目に付くようになってしまうものです。

現実をお伝えしても、「近いものがあるはず」と探し続ける方も中にはいます。しかし、ないものはないのです。地価暴落などよほどのことが起こらない限り考えられません。仮に、掘り出し物が出てきたとしても、そこはプロである不動産会社が商売として押さえてしまっていると思います。

情報は「REINS」で共有される。不動産流通の仕組みとは

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基本的に、不動産流通で流れている情報は、どの不動産会社に行っても紹介してもらえます。売却を依頼された不動産会社は、1日も早く、買主を見つける義務があり、「REINS(レインズ)」という不動産流通のネットワークシステムに登録しなければなりません。私たち不動産会社は、「REINS」を見て、お客様に情報をご提供します。どの不動産会社に行っても同じ物件が紹介されているのはそのためです。基本的に、手数料も変わりません。

ただし、業界の闇というか問題点として、〝抱え込み〟というものがあります。例えば、A社が売主から物件を預って、さらに買主を見つければ、A社は双方から仲介手数料をもらえます。他の業者には情報を出さずに、仲介手数料を総取りするというものです。「REINS」には登録しなければいけない義務があるため(※)、他社も検索はできますが、問い合わせをしても商談中などと言って、情報を出してくれない会社がたまにあります。

不動産業界も、本来は、利益相反とならないよう、売主業者と買主業者と分かれて仲介できるのが理想だと思います。そうすれば、売主業者は売主の、買主業者は買主の利益を守る取引となるでしょう。しかし、売主・買主の両方から手数料を受領したいがために、抱え込みをする会社があるというのが現状です。

※ REINSへの登録義務がない取引も一部あります。(不動産会社への依頼の方法により異なります)

信頼できる不動産会社とは?

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どの不動産会社でも同じ情報が得られて、手数料も変わらない。必ずしも、買主の立場に立った取引をしてくれるわけではない。そうであるなら、自分の味方になって、自分の利益を守ってくれる、信頼できる不動産会社とお付き合いすることがとても重要になってきます。

信頼できる不動産会社を見極めるポイントは、できることはできる、ダメなものはダメとはっきり言ってくれるかどうか。それから、その物件を購入する目的をきちんと理解してくれるかどうかです。

当社であれば、お客様の家を建てるために土地を探すため、購入目的については自ずと深く理解ができます。また、建築的観点から不動産を見ることができる強みもあります。例えば、一般的には南道路で正方形という土地は、図面上はとてもいいと言われるものです。しかし、建築的に見れば、南道路でも、南にリビングが来てしまったら通行人から生活が丸見えになり必ずしも良いとは言い切れません。また、陽当りがいい場所が、玄関になってしまうのももったいないです。その反対に、北向き道路であっても、間取りのつくり方によっては光も風も入ってくる、明るい家になります。注文建築のための土地選びであれば、建築的な目線を持つ人と一緒にできると安心です。

また、購入する土地が決まったら、安心・安全な契約が大切になってきます。当社で建築をご依頼いただいた場合は、第三者的な目線で、契約内容をチェックさせていただくことも可能です。ほとんどありませんが、中には、いい加減な内容のものもあるので、ご指摘したり、注意して確認すべき箇所をお伝えしたりしています。

あとは、営業担当との相性もあるでしょう。不動産業界には、歩合制で雇用されている〝THE営業〟という感じの、売れればOKの営業担当が多いのも事実です。いいか悪いかは別にして、中には、しつこい営業や、土地を探しているのに、新築分譲を紹介してくるような、希望や目的を理解しない物件紹介に疲れてしまう人もいます。人生において大切な買い物ですし、いいパートナーになってくれる人と一緒に探したいものです。

土地選びの際に大事にしたいのは〝肌感覚〟

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実際に、気になる土地を見に行った時、大切にしていただきたいのが、ご自身の〝肌感覚〟です。「なんかいいな」「ちょっと嫌だな」と感じるものがあると思います。

近所の人たちの印象もチェックしておきましょう。「この辺りはどうですか?」とお隣や向かいの人などに聞いてみると、1人くらい、話したがりの人がいるものです。以前は、私が隣人から情報を聞いて、伝えていたこともあったのですが、感覚的なことなので、私がいい印象を持っても、お客様にとって良いかどうかはわかりません。だから、ご自身で直接確認していただけるようにお伝えしています。

その他、土地勘がない場所の場合は、交通の便も確認を。ゴミ出しのルールなども、町内会長さんに聞いておくと安心です。

なお、法規的なチェックは、私たちプロにお任せください。例えば、隣り合う土地や道路との境界を示すために打ち込まれた境界杭があるか、ない場合はどういうルールに基づいて取り決めして契約するのか。土地の高低差がある場合は「がけ条例」などの規制にかからないか。かかる場合は、がけ崩れなどから建物を守るため擁壁を設ける必要があるので、その適合証明が取得できるかどうか。このような、専門的な知識が必要になる事項について、1つ1つ確認させていただきます。

土地の活かし方がわかる、建築のプロと一緒に土地選びを

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敷地に合わせたプランニングをするのが、私たち建築側の仕事ですから、法規的なことを除けばどうにか調整します。つまり、必ずしも、一般的にいいと言われている条件である必要はないということです。北道路であるとか、土地が少し狭いとか、ダメな理由がいろいろと出てくると思います。しかし、ダメだと否定してしまうのではなく、それをどう活かすかを考えた方が有益だと思います。高い買いものなので、どうしても厳しい目で見てしまいがちですが、すると最終的に選べなくなってしまいます。

〝土地をどう活かすか〟という見方は、おそらく、〝売って終わり〟という不動産会社にはできないことです。建物を建てる前提であれば、建築のプロの目線で、ある土地をどう使うか、どう活かすかを見てもらった方が良いでしょう。

前述した通り、土地選びはスピード感が大切なので、できれば、私たちのような建築会社と、一緒に土地選びをされるとスムーズだと思います。

また、住宅ローンについても相談できるかどうかというのも重要です。基本的に、住宅ローンは、居住用の住宅を購入するためのものであり、土地だけを購入する場合は利用できません。その土地にどのような建物を、どのくらいの費用で建てるか、ローンの計画を明確にして申し込む必要があります。そのため、多くの場合は、建築会社がリードして住宅ローンを申請します。

ただし、会社によって得手不得手があり、中には、お手伝いしてくれないところもあるようです。そうなると、すべてご自身でやらなければなりません。土地は不動産会社で、建築はハウスメーカーで、住宅ローンは銀行で、という具合に。やってやれないこともないですが、それをワンストップでできると負担も少なく、安心感も違ってくるのではないでしょうか。失敗も少なくなるはずです。

運と、出会いと、タイミング、そして、スタートダッシュ

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ありがちな失敗は、土地に費用をかけすぎたばかりに、希望通りの家が建てられなかったというものです。

不動産会社は、建物の値段設定をかなり安く見積もっています。例えば、「予算が5000万円なので、建物は1500万円として、土地は諸費用を含め3500万円で探しましょう」と提案されます。その通りに、3500万円の土地を購入し、次に、建築会社に行くと、「1500万円では家は建ちません」と言われてしまうのです。実際に、先に土地をご契約されてから来られる相談者様の中には、土地に費用をかけすぎてしまい、希望の家が建たなくなったという方が年に数組いらっしゃいます。当社の建築費が高いというわけではなく、他のしっかりとした家づくりをしている会社に行っても厳しいと言われるほど、土地にウェイトがかかりすぎているのです。

「一定期限内に指定した建設会社で家を建てる」という条件がついた、「建築条件付き」の土地にも要注意です。ご自身の希望通りの家が建てばいいわけですから、それ自体は悪いことではありません。しかし、建築条件付きの場合は、あくまで土地と建物のセットで成立するため、多くの場合、「建物は1500万円」などと参考価格をとても安く見せています。この場合もまた、土地にウェイトがかかっているのです。

特に、首都圏は土地が高いので、土地に予算が取られがちです。また、土地優先になる気持ちもよくわかります。しかし、建物にかけられる予算がなく、希望からほど遠い家になったら、何のための注文住宅でしょう。土地選びを間違ってしまったために、本来であれば、希望要望を満たす、納得の家づくりができたはずなのに、予算が削られ、希望が削られ、納得の家づくりができなかった…というのは、とても残念なことです。

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満足できる家を建てるために大切なのは、土地選びと建物のプランニングを同時並行し、かつ、土地と建物にかける費用のバランスをとることです。そして、繰り返しになりますが、流通しているものから選ばなければならないため、準備と、覚悟と、決断力も必要です。

私はよく、不動産購入は「運と、出会いと、タイミング、そして、スタートダッシュ」が大切だと言っています。どうしたら買えるのか、希望に近い住まいができるのか、みなさんと一緒に考えていきたいと思っていますので、ぜひ、ご相談いただければと思います。

お客様の希望やライフプランに合った土地探しならお任せください。

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その土地をどう活かせば、お客様の理想の暮らしが実現できるのか。さまざまな条件・暮らしを見てきた建築会社ならではの目線で土地探しをサポート。

お客様のご希望とご予算に応じて適切に予算配分、土地・建物・ファイナンスをワンストップでお手伝いします。

 

👉土地探しの流れ

✅STEP 01. ヒアリング・カウンセリング
✅STEP 02 ライフプランニングで資金計画を立てる
✅STEP 03. 土地情報の収集・ご紹介・現地のご案内
✅STEP 04. 土地の購入申込み
✅STEP 05. 売買契約
✅STEP 06. 住宅ローン申込み
✅STEP 07. 設計・監理契約へ

 

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