無垢材と集成材の違いとは?

無垢材と集成材の違いをわかりやすく解説!家の構造に関わる強度や耐久性についてメリットデメリットを踏まえて解説

木造住宅をつくる際に使用される木材。

その木材には、大きく分けて「無垢材」と「集成材」という2つの種類があります。

 

集成材とは、小さな角材や薄い板材を接着剤でつなぎ合わせて作った木材のこと。いわば、人工的に作られた木材ということです。

 

一方、無垢材とは1本の木を伐採し、乾燥させただけの「天然の木材」のことを言います。

 

見た目は同じように見えても、実は比べてみるとその特徴は大きく違うもの。

今回は、そんな無垢材と集成材の違いを強度や価格などそれぞれのメリットデメリットを踏まえてご紹介します。

家が完成してしまえば見えなくなってしまう構造部分。

しかし、家の構造材は耐震性や耐久性に関わる重要な箇所ですから、無垢材と集成材の違いをよく知った上で選ぶようにしましょう。

それぞれの特徴を知り、どんな家づくりが本当の意味で安心できるのか、一緒に考えてみて下さい。

 

集成材のメリットとデメリット

無垢材と集成材の違いをわかりやすく解説!家の構造に関わる強度や耐久性についてメリットデメリットを踏まえて解説

ではまず、集成材のメリットデメリットから見ていきましょう。

集成材は、無垢材と比べて安価・安定性に優れているのが特徴です。誰でも簡単に扱えるという点からも、現在多くのハウスメーカーで選ばれています。

【集成材のメリット】

・無垢材に比べて安い

・品質が安定している

・無垢材のように反りや割れが少ない

 

集成材は、様々な木を寄せ集めて貼り合わせた木材なので、1本の木を余すことなく使えます。そのため、比較的安価なものが多く、家づくりのコストを削減できるというメリットがあります。

 

また、強度やしなやかさの異なる木材を接着剤でつなぎ合わせている工業製品のため品質にばらつきが少ないというのも大きなメリットの1つ。

日本農林規格(JAS)の規定「木材の含水率15%以下」という基準も設けられており、これをクリアしているものを取り扱うため、湿度によって寸法が狂ったり反り・割れが生じたりすることがないのです。

施工する職人の腕に左右されにくいため、仕上がりも一定の品質を保てます。

 

 

【集成材のデメリット】

一見すると、家の構造材に適した建材のように思える集成材ですが、実は少し心配な面もあります。

 

それはズバリ、「耐久性の不安」

集成材には、木と木をくっつけるために接着剤が使用されていますが、経年劣化によって接着剤の強度が衰え、剝がれてしまうこともあるため、実は無垢材に比べて劣化が早いと言われているのです。

 

現在では、過去に起きた剝離事故の事例から、より強度の高い接着剤を使用した集成材もあるようですが、まだ年数があまり経っていないことから20年、30年…といった数十年単位でのデータがなく、絶対に安全であるとは言い切れないのが実情です。

 

もちろん、接着剤が剥がれてしまえば、木材の強度も落ちてしまいますから、建物自体の寿命も短くなってしまいます。

20年後、30年後のことを考えた場合、耐久性に劣るのは大きなデメリットです。まだローンの残債があるのに「また建替え」なんてことになれば、負担も大きくなるでしょう。

老後の暮らしを豊かにするためにも、耐久性についてよく考えたうえで構造用木材を選ぶと良いと思います。

 

無垢材のメリットとデメリット

無垢材と集成材の違いをわかりやすく解説!家の構造に関わる強度や耐久性についてメリットデメリットを踏まえて解説

続いては無垢材です。

無垢材は、自然由来の素材であることが最大の特徴。

構造材に使われる無垢材は、実際には家が建ってしまえば見えなくなる部分ですが、無垢材ならではの良さに目を向けてみましょう。

 

森林大国日本が誇る高品質な「国産無垢の構造材」

【無垢材のメリット】

 

・耐久性が高い

・見た目が美しい

・安全性が高い

 

家の構造材として使用した場合、最も気になるのが耐久性ですよね。

日本の神社などの建築に使用されていることもある無垢材。

木材の種類にもよりますが、比較的耐久性に優れているというのも無垢材の魅力です。

無垢材は、呼吸しながら乾燥が進んでいくことで、どんどん強度を増していくと言われています。

そのため、年数が経てば経つほど強くなっていくんです。

 

また、柱や梁に使用した際は、見た目の美しさも大きなメリット。あえて梁を見せる家づくりも人気の今、無垢材ならではの1つ1つ異なる木の表情は温かみや質感の良さを感じさせてくれるでしょう。

更に無垢材は、集成材のように接着剤を使用しませんから、ホルムアルデヒドなどの揮発性有機化合物によるシックハウス症候群の心配もありません。

健康面も安心材料の1つでしょう。

【無垢材のデメリット】

無垢材は、自然素材ならではのデメリットもあります。

その1つが「反り」「割れ」などが生じること。

無垢材は自然の木ですから、呼吸をしています。水分を吸って放出する…を繰り返すため、これにより木材そのものが縮むなど反りやひずみが生じやすくなるんです。

 

しかし、無垢材そのものが変形しても、建物自体の強度には影響がないことがほとんど。

実際、古くから建てられている神社仏閣などは数百年もの間、変わらずに残っているわけですから、その影響は低いと考えられます。

 

ただし、無垢材はそれだけ集成材に比べると品質に差があるため、扱う職人の技術が問われることもあります。

また、1本1本削って製材するなど加工に手間や時間がかかっているため、集成材に比べると無垢材の方が、価格が高い傾向も。

なかでも人気のあるヒノキやウォールナットなどの無垢材は、高価な木材として知られています。

 

実際に起きた集成材の「剝離(はくり)事故」の問題

無垢材と集成材の違いをわかりやすく解説!家の構造に関わる強度や耐久性についてメリットデメリットを踏まえて解説

集成材のデメリットの部分でお話しした通り、構造材として使用する集成材には、耐久性の面でやや不安が残ります。というのも、2005年に海外製構造用集成材が剝離した事故が発覚したからです。

 

当時剝離事故を起こした集成材は、農林水産省が定めた規定「JAS」の認定を受けていた木材。すべての集成材が悪ではありませんが、JASの規格内であっても決して安心できないのです。

【集成材が剝離するメカニズム】

集成材は、木材同士を接着剤で貼り付けて作られたもの。

複数の異なる木材が組み合わさっています。

この木材1つ1つも無垢材と同じように膨張や収縮を繰り返しており、それを接着剤が支えているような状態ですから、接着面に大きな負荷がかかっていることは間違いありませんよね。

 

接着力が高ければ木材が膨張や収縮をしてもしっかりくっついたままですが、周囲の環境や木材と接着剤との相性などによっては、剝離しやすくなることがあります。

大きな負荷に耐え切れず、時間の経過とともに接着部が割れ出し、強度がどんどん衰えてしまうのです。

構造材の場合、建て終わってしまえば見えなくなる部分ですから、知らぬ間に剝離が進み、大きな地震の揺れに耐えられなくなることも考えられます。

 

【集成材に使われる接着剤は大きく分けて2つ】

集成材に使用される接着剤は、イソシアネート系接着剤とレジルシノール系接着剤の2つに分かれます。

 

イソシアネート系接着剤は、硬化すると白もしくは透明になることから通称「白のり」と言われ、接着後の木肌がきれいに見えることから人気が高いと言われています。

しかし、過去に剝離事故を起こした集成材のほとんどがこのイソシアネート系接着剤を使っていたため、耐久性の面では不安でしょう。

 

一方、レジルシノール系接着剤は、硬化後の色が黒くなることから「黒のり」と言われ、古くから構造用の集成材に使用されているものです。

レジルシノール系接着剤の場合は、ホルムアルデヒドなどの揮発性有機化合物が含まれており、こちらは健康面で心配な点が多いと考えられています。

 

30年後を考えたら?無垢材VS集成材、どっちがいいの?

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これまで比べてみたように、無垢材にも集成材にもそれぞれメリットデメリットが存在します。

結局家づくりの際は、「どちらを使えばいいの?」と悩んでしまうかもしれませんね。

一生に一度と考えれば、後悔しないように選びたいでしょう。

 

私たち無添加計画では、30年、50年…とその先ずっと住み続けられる無垢材を使用した家づくりを推奨しています。

それはやはり、家族みんなの健康を思ってのこと。

耐久性・安全性の面から考えると、やはり集成材ではなく無垢材を使用した方が長きにわたって安心した暮らしができます。

 

親から子へ、子から孫へとずっと引き継いでいけるような家づくりには、無垢材と集成材どちらが本当に適切な建材か、よく検討して家づくりに臨みましょう。

 

私たちが使うのは高品質な無垢材の構造材

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無垢材の構造材のデメリットには、品質にばらつきが生じてしまうことをお伝えしましたが、このデメリットを限りなく安心感に変えてくれるのが、和歌山県にある老舗製材業「山長商店」の無垢材です。

 

山長商店では、これまで行う必要のなかった無垢材1本1本の強度・含水率を検査し、集成材と同様にJASの認定を受けています。

また、目利き可能な職人が検査をし、それぞれの木材の性能を見極め、適材適所で使っているため、より安全な家づくりを行っているのです。

このほかにも、独自で開発した乾燥技術により、効率よく安定した木材供給を実現。無垢材の「入手しにくい」というデメリットも解消しています。

 

■山長商店についてはコチラから

 

無垢材と集成材の特徴を知って本当に「良い家」を建てよう

無垢材と集成材の違いをわかりやすく解説!家の構造に関わる強度や耐久性についてメリットデメリットを踏まえて解説

無垢材と集成材のメリットデメリットを知ると、意外とこれまで気が付かなかったことも多かったのではないでしょうか。

 

家づくりをする際は、デザインや広さ、価格などに囚われがちですが、質の高い家づくりをすることも、大切な家族の命を守るためにも重要なことです。メーカーによっても無垢材と集成材については賛否両論分かれることが多いので迷ってしまうとは思いますが、実際にそこで生活するのは皆さん自身です。

無垢材と集成材、どちらが本当に安心できるのかよく比べてみるといいと思いますよ。

 

私たち無添加計画では、今回ご紹介したような無垢材と集成材の違いを、サンプルを使用しながら丁寧にご説明します。さらに、実際に建てる家の構造や完成後の家の見学会なども随時実施しています。

無垢材の家の良さは、実際に見れば納得できるはず!

本当の意味での「良い家づくり」に興味のある方は、ぜひ一度、お話を聞きに来てくださいね。