空前の平屋ブーム！平屋住宅はなぜ人気？メリットデメリットを徹底紹介

近年、少子化等の影響から世帯の人数が少なくなっているのも理由の1つです。

そこに住む人の数が少なければ、住宅そのものも最低限の広さ・部屋数で問題ないですよね。子どもが巣立った後、親世代だけが住むことも考えるとバリアフリーな平屋の方が利便性が良いと考える人も増えているのかもしれません。

数年前からよく耳にするようになった「ミニマリスト」という言葉。物を持たない最低限の暮らしをする人たちのことを指しますが、これも平屋が人気になった理由の1つではないかと考えられています。

平屋なら動線もとてもコンパクト！無駄を省いたシンプルな暮らしができるので、ミニマルライフ志向の方からもとても人気なんですね。

家を建てる際は、地震や台風など自然災害についても心配ですよね。平屋は災害予防という観点からも、ある特定の地域から注目を集めています。

その地域というのは「九州」。

国土交通省が発表している「建築着工統計調査/建物着工統計」によれば、平屋率が高くなっている県は宮崎、鹿児島、沖縄、熊本…と九州に集中していることがわかります。

なぜ九州は平屋の需要が高いのかというと、それは災害に強いからだと考えられています。九州と言えばやはり「台風」の影響は避けられませんよね。

建物の高さが低ければ、当然風の影響も最小限で済みますからこのあたりの地域では平屋の人気が高いと見られています。

また、2016年に起きた熊本地震の影響も平屋増加の要因の1つ。津波の被害が大きかった東日本大震災に比べ、熊本地震では建物の倒壊が多くみられました。

この教訓からか、現地では「耐震性の高い家づくり」というのがとても注目されたんです。

2階部分の負荷がかからない平屋であれば、耐震性もアップします。家族の命はもちろん、財産を守るためであると考えれば大事なことですよね。

平屋はワンフロアなので階段を使って上り下りする必要がありません。動線もとてもシンプルなので、子どもから高齢者までとても暮らしやすいんです！

階段から落下してケガをするリスクなどもありませんから、家族みんなが安心して暮らせるというのは大きなメリットですよね。

また、よくある2階建て・3階建ての家の家事動線の問題もワンフロアの平屋ならスッキリ解決。洗濯機のある2階から3階に洗濯物を持って上がって干す…という重労働もなくなりますよ！

先述したように平屋の場合は、2階建て以上の建物に比べて耐震性に優れているというメリットがあります。

これは上層階の重みがかからない分、建物自体が強くなり、地震の影響を受けにくいからです。今後、首都直下型地震や南海トラフ地震などが起こると言われている日本ですから、せっかく家を建てるなら耐震性は重視したいところ。

もちろん平屋だから地震が来ても絶対安心というわけではないので、しっかりとした基礎・構造の家づくりが必要ですよ。

ワンフロアの平屋は、2階建てや3階建てと比べると家族との距離が近いのが魅力です。従来の家だと上層階の子ども部屋にこもりっきりになってしまい、食事の時だけしか家族同士が顔を合わせる機会がない…なんてこともありますよね。

平屋なら、いつでも「家族の存在」を身近に感じられ、自然とリビングに集まることができます。家族の距離が近い＝家族との絆もより深まる

…そんな魅力があるのも、平屋ならではだと思いますよ。

平屋住宅はワンフロアなので冷暖房効率が良く、光熱費を抑えられるというメリットがあります。電気代は年々値上がりしていますから、冷暖房効率が良い住宅というのはありがたいですよね。

また、一般的な2階建て住宅に比べてシンプルな造りの平屋は、メンテナンスをする項目が少なくて済むのもメリット。他と比べるとメンテナンス費用をグッと抑えることができるんです。

たとえば、屋根やバルコニー、外壁などは通常、足場を組んで補修やメンテナンスを行わなければならないですが、平屋なら高い足場を組む必要がないので費用がカットできます。もちろん2階建てなどに比べて外壁など塗装する面積そのものも少ないですから費用を抑えることができますね。

家は建てたら終わりではありません。長期的に考えてメンテナンス費用など少しでも抑えられることは家計にとっても大きなメリットでしょう。特に子育て世代は教育費が多くかかるため、家計の負担を減らせるのは嬉しいですね。

当然ですが平屋の場合ワンフロアなので、それなりの広さがないと建てることができません。ここに住みたい！という希望のエリアがあっても、「広さが足りない」「土地の価格が高い」といったこともあるかもしれませんね。特に都心部では思うような土地が見つかりにくいでしょう。

また、せっかくお気に入りの土地が見つかっても、周りが2階建て・3階建てに囲まれていると陽当たりや風通しが悪くなってしまうことも。 平屋を建てるには、ある程度の土地の広さとゆったり暮らせる環境も必要ですよ。

メンテナンス費用が抑えられる平屋ですが、意外と建築コストがかかってしまうのがデメリット。

2階建て住宅と同じくらいの居住スペースを確保しようとすると、平屋の場合は広い敷地が必要になりますよね。その結果、屋根と基礎も広くなり、その分コストがかかってしまうでしょう。

広い土地となれば固定資産税もかかってしまいますから要注意！

ただし、間取りを工夫したり廊下を減らしたりして上手にやりくりすれば費用を抑えることもできます。

平屋を建てる際は、実際の施工例を参考にするほか、依頼する施工会社によく相談してみるといいでしょう。

平屋を建てる場所にもよりますが、隣の家との間隔が近いとプライバシーの確保が難しくなることも。 なぜかというと平屋の場合、風通しや採光を考えて窓を多く設置することがあるからです。これにより、外から室内が丸見えになってしまうというデメリットがあります。カーテンを設置するのはもちろんですが、窓の配置をよく考えるなど、平屋を建てる際には間取りを工夫することも重要です。

また、外部とのプライバシーの確保が難しいだけでなく、家族間でのプライべート空間の確保が難しいというのもワンフロアの平屋ならではの悩み。

在宅ワークも増えている時代ですから、パパやママの仕事中に子どもの声が気になったり家族の足音が気になったりして集中できないということもあるでしょう。

平屋だと家族の距離が近い分、このようなプライベート空間を確保したいという場合に少し不便に感じます。 書斎や子供部屋の配置を工夫する、離れを設けるなど納得のいく平屋住宅をつくりましょう。

平屋を建てる土地を探す際は、必ずハザードマップを確認してから決めましょう。水害が頻繁に起こる土地だと、2階建てや3階建てのように上階に逃げることができないため命の危険にさらされることがあるからです。

浸水被害や津波被害などのリスクについて事前に調べておくと安心ですよ。

平屋の場合、周囲の建物の影響をとても大きく受けてしまいます。たとえば周りの家が2階建て・3階建てで密接して建っているような場合は、日当たりが悪くなり湿気によるカビやダニが多くなってしまいます。

見た目も圧迫感があり、なんとなく息苦しく感じることもありますよね。

日当たりについては季節や時間帯によって大きく変化します。気になる土地を見つけた場合は、実際に周囲を散策し、違う時間帯で何度かチェックしてみるのがおすすめですよ。