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冬の子ども部屋の暖房の使用量はどのくらい必要?
2018.6.10
マイホームが欲しい!と思い立ち、ハウスメーカーや工務店を見て回る。
色々見ても、分かりやすいのはインテリアやエクステリアの好み、営業マンの対応、素材の良し悪し、会社の規模くらい。
分かりやすい理由は、直感的に分かるから。
「冬暖かくて、夏涼しい家が欲しい」と思っていても、これに関しては工法や性能を営業マンから説明され、「じゃあ大丈夫かな?」と思うしかない。
なぜなら、直感的には分からないから。
断熱・気密性能を示すUA値やC値の説明をされても、「うん、じゃあいいんだね」としか思えない方がほとんどのはずです。
しかし、実は説明している営業マン自身もよく分かっていません。
なので、冬の子ども部屋の暖房の使用量はどのくらい必要?という質問に答えられる営業マンは、ほぼいません。
設計士ですら、答えられる人はごくわずかです。
「ライフスタイルにもよりますが、国が定める基準をはるかに上回る断熱性能があるので、そんなに暖房を使わなくても快適に過ごせますよ。」というように、ズバリの回答はでてこないでしょう。
なぜなら、プロである営業マンや設計士もよく分からず、答えの出し方を知らないからです。
では、暖房使用量を計算してみます。
例えば冬の時期、2階の南西角の6帖の子ども部屋、天井高2.4m、室温20℃、隣接する部屋や天井裏の室温10℃、外気温0℃、南面に掃き出し窓1つ(3.3㎡、U値2.0)の場合。
細かい計算を書くと、これ以上読んでもらえなくなると思うので割愛します。
換気による熱損失も加味して計算すると、総熱損失量は830.0W(ワット)。
人が一人部屋にいるとして、窓からの日射取得熱も計算すると、76.6Wの熱量が不足します。
人一人の熱量が約100Wなので、部屋に2人いれば暖房不要。日中は日射取得熱が上がることも考慮し。。。
結論、「この部屋に暖房は不要です。」となります。
「ん~、暖房はいらないと思いますよ?」ではなく、根拠ある計算のもと「暖房はいりません」となります。
ちなみに夏の場合は、人や日射による熱量がマイナスに働き、全く違う結論になるので暖房不要=冷房不要ではありません。
ややこしいことを長々と書きましたが、大切なのは、計算による明確な答えを出すこと。
そして、熱量うんぬんよりも光熱費がいくらになるのかを可能な限り明確に想定することです。
「家」に関わる月々の出費は、光熱費と住宅ローン(建築費)です。
つまり、光熱費と住宅ローンは必ずセットで考えるべきであり、光熱費を明確にすることで、建築費と光熱費のベストなバランスを導くことが可能です。
例えば、
■建築費2500万円、次世代省エネ基準の家
住宅ローン:88,445円/月
光熱費:23,000円/月
合計:110,455円/月
■建築費2700万円、暖房負荷が次世代省エネ基準の半分の家
住宅ローン:95,532円/月
光熱費:13,000円/月
合計:108,532円/月
光熱費が明確になると、上記例のように建築費を増やして断熱性能を上げたほうが、月々の支払い金額は安くなる、という計算ができるようになります。
太陽光発電や太陽熱温水を設置した場合は、イニシャルコスト(設置費)をふまえても、さらに月々の支払い金額が安くなる場合もあります。
「弊社の30坪の家の平均的な光熱費は○○円くらいです」ではなく、一棟一棟、異なるプランにあわせて根拠のある光熱費の計算ができるのは、他の会社ではなかなかできない、実はすごいことなんです。