家のこと(新築)
2025.11.02. SUN
平屋で二世帯住宅は可能?トラブル防止のための間取りの工夫とは?
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平屋でも二世帯住宅は可能?
							
						近年、幅広い世代に人気の平屋。
最近の平屋は、とてもおしゃれでモダンなデザインが多いため、若い世代からも注目度の高い住宅です。
さて、そんな人気の平屋ですが、実は二世帯住宅にすることも可能であることをご存知でしょうか。
国民的アニメ「サザエさん」のように、平屋で、親、子、孫の三世代がひとつ屋根の下で暮らすなんて、なんだかとても楽しそうです。
しかし、2階建ての住宅のように上下に居住スペースを設けることができない平屋の場合、どのようにして二世帯住宅をつくればよいのでしょうか。
そこで今回は、平屋でつくる二世帯住宅についてご紹介します。
平屋で二世帯住宅をつくる際の家の形は?広さは?
							
						平屋で二世帯住宅をつくる場合、先にも述べたように上下階で居住スペースを分けることができないので、「完全分離二世帯住宅」のように、各世帯のスペースを完全に別々にすることは難しいです。
完全分離型にしてしまうと、玄関からお風呂、キッチンなどすべての居住スペースを各世帯で設けなければならないので、平屋でつくるとなると、かなり広い土地が必要となります。
そうなると、1つ1つのスペースが、とても狭くなるので逆に暮らしにくくなってしまいます。
十分な土地の広さがないけれど、平屋で二世帯住宅を建てたい場合は、一部共有型や完全同居型の二世帯住宅にし、寝室などのプライベート空間以外はすべて共有にするのがおすすめです。
その場合、長方形にして右と左とでプライベート空間を分け、中央にキッチンやリビングなどの共有スペースを設けるといいでしょう。
このほかにも、コの字型、L字型にして、居住スペースを分けることで、平屋であっても適度な距離感を保つことができます。
平屋の二世帯住宅の間取りのポイントは?
							
						平屋で二世帯住宅をつくる際は、間取りをきちんと決めておくことが大切です。
これにより、親世帯・子世帯双方で、ストレスなく過ごすことができます。
中庭を使って居住空間を分ける
一部共有型や完全同居型二世帯住宅の場合は、寝室や子供部屋などのプライベート空間を分けておくことが大切です。
平屋の場合は、常に家族の気配を感じることになります。
どんなに仲の良い家族であっても、時には一人でゆっくり過ごしたい、誰にも干渉されたくないという時があるでしょう。
また、夫側の両親と住む場合は、在宅時間の多い妻と義理の両親との関係性にも配慮しなければなりません。
そこでおすすめなのが中庭の設置。
間取りをコの字型にし、中庭を設けることで各世帯の居住スペースを分けると良いでしょう。
中庭に植栽などをすれば、洗濯物を干す際も、お互いから見えにくくなり、目隠しという目的も果たせます。
さらに、中庭があると、室内への採光も取りやすく、風通しも良くなるので、暮らしやすさが倍増します。
このほかにも、リビングの延長として中庭を有効活用するのもおすすめ。
夏は、子供と一緒に水遊びを楽しんだり、家族みんなでバーベキューを楽しんだりすることもできます。
このように、中庭を設けることで双方のプライベート空間をしっかり分けることができ、暮らしやすさや安心感がさらにアップすることでしょう。
それぞれのプライベート空間は隣接させない
寝室や書斎、子供部屋など、各世帯のプライベート空間は、隣接させないような間取りにしましょう。
二世帯住宅というのは、世代が異なる家族が同居することになるので、価値観の違いはもちろんですが、生活リズムも異なります。
平屋の場合、どうしても世帯間の距離が近くなってしまうので、物理的に距離を離し、それぞれの空間を設けた方が上手くいく場合が多いのです。
特に「生活音」に関するトラブルは、二世帯住宅で最も多い問題。
なるべくそれぞれのプライベート空間を離し、真横に並べないように気を付けましょう。
加えて窓の配置も工夫すると、より平屋であってもストレスを感じずに暮らすことができます。
共有スペースはバリアフリーにする
平屋は、基本的にワンフロアなので、バリアフリーにしやすいのがポイントです。
特に共有スペースは、将来的に車椅子が通れるような空間をつくったり、お風呂やトイレを広めにつくったりする工夫があると良いでしょう。
段差がないということは、親世帯だけでなく、子育てをしている子世帯にとっても利点がいっぱいあります。
長く住み続けられるように、バリアフリーを意識した家づくりを検討してみてください。
平屋で二世帯住宅を建てる際の注意点
							
						平屋という限られた空間で二世帯住宅にするというのは、プライバシーの問題からトラブルに発展しやすいものです。
これまでとても仲の良かった親子でも、二世帯住宅に住んでみたらストレスが凄かった…ということもあります。
そうならないためにも、家づくりの際は、あらかじめ下記のような点について家族で話し合っておくようにしましょう。
家族内でのルールを設ける
家族であっても、それなりのマナーというのは大切です。
良かれと思って…という親切心も、相手が不快に感じてしまうこともあります。
・勝手に寝室や子供部屋に立ち入らない
・洗濯物を勝手に干したり、取り込んだりしない
・郵便物などプライバシーのあるものは勝手に開封しない
など、最低限のマナーについて、事前に話し合っておきましょう。
また、意外と多いのが、金銭的なトラブル。
光熱費や食費など、どのような割合で負担するのかなどについても入居前に確認しておきましょう。
加えて、共有スペースとなるキッチンやお風呂などの使い方についても、確認しておくことが必要です。
些細なことではありますが、価値観の違いからトラブルに発展することは多いものです。
二世帯住宅に住まなければよかった…なんて後悔しないように、家族での話し合いが必要です。
家づくりの際は双方の意見を聞く
間取りや建材など、家づくりでは決めなければならないことがたくさんあります。
しかし、その話し合いの場で言いたいことが言えずに、どちらかの意見を押し通されてしまった…というケースもあるものです。
親世帯・子世帯双方で、納得いくまで話し合うことはもちろんですが、どうしても家族間で解決しない場合は、設計士や施工を依頼しているスタッフに相談し、専門家の意見から解決の糸口を見出すようにしましょう。
せっかく平屋の二世帯住宅にすると決めたのであれば、全員が納得のいく家づくりができるよう、可能な限り話し合うことが大切です。
平屋の二世帯住宅で楽しい暮らしを!
							
						平屋の二世帯住宅は、プライバシーの観点などからデメリットが多いように思えますが、意外とメリットの方が多いもの。
将来的に家族の助けが必要な親世帯と、現在、子育てで大変な子世帯との助け合いは、家族の絆を深めてくれます。
二世帯住宅の間取りを工夫したり、家族のルールを設けたりすることで、少しでもストレスなく過ごせるようにしましょう。
私たち無添加建築設計も、様々なタイプの二世帯住宅の施工に携わってきました。
今回ご紹介したようなポイントを軸に、平屋でも快適な二世帯住宅となるよう、一緒に考えていきましょう。
COLUMN
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